第2問 次の問い(A~C)に答えよ。 (配点 44)
A 次の問い(問1~10)の
8 ~
17 に入れるのに最も適当なものを, それぞれ下の①~④のうちから一つずつ選べ。ただし,
15 ~
17 については, ( A )と( B )に入れるのに最も適当な組合せを選べ。
問10 I would ( A ) the movie last night much more if I ( B ) the novel before I saw it.
17
① A:enjoy B:had read ② A:enjoy B:read
③ A:have enjoyed B:had read ④ A:have enjoyed B:read
正解と解説はこの下にあります。
(このページが表示された際、正解まで一緒に見えてしまわないように、正解と解説を少しページの下にずらして書いています)
[正解と解説]
正解は③です。
この問題は、仮定法過去完了の知識を問う問題ですね。仮定法過去完了の知識を問う問題は、センター試験でも頻出ですので、仮定法過去完了を含め仮定法は、きっちり理解しておいた方がよい知識だと思います。
仮定法過去完了は、「過去の事実とは違う(過去における)仮定のこと」を表す表現で、「もし~だったら、~だったろうに」が、基本的な意味になります。基本の形は以下の通りです。
[If + S(主語) + had + 過去分詞, S(主語) + would(should/could/mightなど) + have 過去分詞.]
問題文は、一方の節にifがあり、もう一方の節にwouldがあります。また、それぞれの節に「last night」と「before I saw it」があることから、両方の節とも過去のことについて書かれていると推測することができます。
次に、選択肢を見ていくと、現在完了の「have enjoyed」と過去完了の「had read」があります。
仮定法過去完了は、「If + S(主語) + had + 過去分詞, S(主語) + would + have 過去分詞.」の形ですので、仮定法過去完了を勉強している人は、この時点で、この文は「仮定法過去完了」の文なのではないか、と推測できると思います。
仮定法過去完了となる選択肢は、③の「A:have enjoyed, B:had read」ですので、それぞれ空欄に入れると、「もし私がそれ(その映画)を見る前にその小説を読んでいたならば、私は昨夜のその映画をさらになお楽しめただろうに」という意味となり、意味の通じる文になりますので、正解は③になります。
仮定法過去完了の問題では、気をつけなければいけないことがあります。
この問題は素直な「仮定法過去完了」の文ですが、If節は「If + S(主語) + had + 過去分詞」と、仮定法過去完了の過去の仮定を表す節であるのに、主節は「S(主語) + would + 現在形」と仮定法過去の現在の仮定を表す節になる、少しひねった問題文が出ることがあります。
[If + S(主語) + had + 過去分詞, S(主語) + would(should/could/mightなど) + 現在形.]
この場合「(過去)もし~だったら、(現在)~であるだろうに」という意味になり、「過去の事実とは違う仮定をして、その場合、[現在]どうであるか仮定する」文になります。
ほとんどの人が「あの時ああしていれば、今こうなのになー」という経験があると思いますが、まさに、そういう表現になります。
問題を解く際に、この問題文は「仮定法過去完了」だと思っても、主節の時制が現在なのか過去なのか、文脈がどうなっているのか、注意する必要があります。せっかく仮定法をしっかり理解して、問題を解く実力があるのに、少しひねった問題のために誤答になってしまうと、もったいないですよね。
[問題文の和訳(直訳調)]
I would have enjoyed the movie last night much more if I had read the novel before I saw it.
もし私がそれ(その映画)を見る前にその小説を読んでいたならば、私は昨夜のその映画をさらになお楽しめただろうに。
[単語・熟語の意味]
much more(still more) [意味] さらになお
novel [意味] 小説