第2問 次の問い(A~C)に答えよ。 (配点 44)
A 次の問い(問1~10)の
8 ~
17 に入れるのに最も適当なものを, それぞれ下の①~④のうちから一つずつ選べ。ただし,
15 ~
17 については, ( A )と( B )に入れるのに最も適当な組合せを選べ。
問2 To recover his strength, the patient was made
9 his arms above his head many times every day.
① raise ② rise ③ to raise ④ to rise
正解と解説はこの下にあります。
(このページが表示された際、正解まで一緒に見えてしまわないように、正解と解説を少しページの下にずらして書いています)
[正解と解説]
正解は③のto raiseです。
この問題は、「使役動詞としてのmake」の用法に関する問題なのですが、受動態になっていることによって、使役動詞をよく勉強している人でも引っかかってしまう可能性があるかなり難易度が高い問題だと思います。
makeは「~を作る、する」などの意味の他に、使役動詞としての意味があります。「make + O(人) + 動詞の原形」で、「O(人)に~にさせる、するようにさせる(強制)」という意味になります。
問題文は受動態になっていますが、能動態に書き換えてみると、以下のようになります。
the doctor made the patient raise his arms above his head
「医師はその患者に頭の上に両手を上げさせた(上げるようにさせた)」
主語のdoctor(医師)はどこから出てきたんだ?と思う人がいるかもしれません。patient(患者)が出てくる文で、患者がなんらかの医療行為や医療に関する指示を受けた場合、その患者に医療行為や指示をした人は、常識的に考えて医師で、明示するまでもないことですので、受動態の文など(例:患者の手術が行われた)では、省略されていることがあります。
使役動詞は、「使役動詞 + O(人) + 動詞の原形」の語順で用いられます。目的語O(人)の後の動詞は「原形」です。ただし、この問題文のように、使役動詞のmakeが受動態で用いられた場合、目的語O(人)の後の動詞は、「原形」ではなく、「to do(to 不定詞)」にする必要があります。
[例]
能動態 (目的語O(人)の後の動詞は[原形])
She made her son [study] mathematics.
彼女は彼の息子に数学を勉強させた。
受動態 (目的語O(人)の後の動詞は[to do(to 不定詞)])
Her son was made [to study] mathematics.
彼の息子は数学を勉強させられた。
能動態であれば、目的語の後には「動詞の原形」が適切ですが、この文は受動態ですので、動詞の原形である①のraiseと②のriseは、選択から外れます。
空欄の後には、名詞のhis armsが続いています。raiseは「~を上げる、育てる」などの意味の他動詞です。一方、riseは「昇る、上がる、増加する」などの意味の自動詞です。自動詞は目的語を取ることができませんので、④のto riseは選択から外れます。
「to do(to 不定詞)」の形で他動詞である③のto raiseが、文法的に適切ですので、③のto raiseが正解になります。
使役動詞は、センター試験で最頻出の文法事項の1つですので、なるべく早くチェックして理解しておいた方がよいと思います。使役動詞の種類と意味・使い方について、
使役動詞の種類と意味・使い方の解説ページに、簡単にまとめてありますので、よかったらご覧になって下さい。
[問題文の和訳(直訳調)]
To recover his strength, the patient was made to raise his arms above his head many times every day.
彼(その患者)の体力を取り戻すために、その患者は毎日何度も両腕を上げさせられました。
[単語・熟語の意味]
recover [意味] (他)~を取り戻す、取り返す、回復する、償う、(自)回復する、立ち直る、治る
strength [意味] 力、強さ、体力、元気、筋力
patient [意味] 患者、病人
arm [意味] 腕
many times [意味] 何度も、しばしば
raise [意味] (他)~を上げる、引き上げる、高くする、上昇させる、育てる、栽培する
rise [意味] (自)昇る、上がる、起き上がる、増す、増加する